
逃げるキンブル、追うジェラード。興奮おさまらずの2時間ちょいだった。大昔に観て大筋は覚えてたけど、細かい設定もしっかりしてたんだな。ちょいちょい医師としての能力や性質が垣間見えるのがいいよね。キンブル頑張れってなる。そして執念深く追い続けるジェラード。カリスマ性のあるリーダーシップがたまらない。どっちも天才だ。93年の映画だけど古くささを感じないのは名作ゆえん。家族で観たけどみんな大絶賛だったよ。
ここからネタバレあり!
この映画の一番の見どころは、逃亡者キンブルの無実をジェラードが少しずつ信じ始めていく過程だと思う。序盤のダムのシーンでは、キンブルの「妻を殺してない!」に対して「知ったことか!」と冷たく言い放つジェラード。有罪か無実かは自分の領分じゃない、ただ追うだけだと己を律してる。ところが執拗に追ううちに、キンブルの不可解な足取りや医師としての本能的な行動に「もしかして…?」と揺らぎ始め、連邦保安官として独自に核心へ近づいていく。追う者が真相の探究者に変わっていくこの反転がたまらない。
ひとつモヤッとしたのが、キンブルの車からサイクスに電話がかけられてたって件。キンブルの車からの発信ならキンブルが怪しいだろ、と一瞬思ったけど、事件当夜その車を借りてたのは真犯人ニコルズだったと。つまりニコルズがサイクスに指示の電話をかけてた。そしてサイクスはキンブルを狙って家で待ち伏せしていた。キンブルに不利に見えた証拠が、実はニコルズの関与を示す証拠だったという逆転。よく出来てるけど分かりづらいとこではある。
そしてニコルズの動きもわかりづらい。親友のふりで協力しつつ裏では殺そうとしてる。捕まって死刑になれば自分の罪は闇に葬られるのに、なぜ助けるのかと。調べてみたら海外でも語られてる論点らしく、無実を知りつつ庇うことで自分への疑いをそらす芝居説が有力だとか。それはそうだろう。とはいえ逃がし続けて真犯人を追う時間を与えてる矛盾は残るよな。結局は観客を最後まで「ニコルズは味方」と信じ込ませる仕掛けだったんだろうな。
家族全員で観たけど、みんな大満足だったみたいで嬉しいかぎり。この90年代前後の映画は名作揃いだからいろいろ観てほしいし見せてやらないとな。こないだ観た『アルマゲドン』の口直しにもなったかなw
逃亡者(1993)
監督:アンドリュー・デイヴィス
出演:ハリソン・フォード, トミー・リー・ジョーンズ, ジェローン・クラッベ, セーラ・ウォード, アンドレアス・カツーラス