映画好きなら誰しも「もっといい環境で観たい」という物欲、あると思う。うちはずっとパナソニックの有機ELテレビ(TH-55LZ2000)で映画を観ているんだけど、今使っているプレーヤーがそろそろ寿命っぽくて、買い替えを検討し始めた。
最初に候補に挙がったのは、パナソニックのDP-UB45S。価格も手頃だし、深く考えずにこれでいいかと思っていた。
でも念のため調べてみたら、まさかの落とし穴があった。
「ドルビー音源ダメ」だった
DP-UB45S、Dolby Visionには対応しているのに、Dolby Atmosはフルで再生できない。UHD BDのAtmos音声を再生すると、オブジェクト情報を含んだAtmosビットストリームではなく、ベースのDolby TrueHDに丸められて出力される仕様だった。DTS:Xに至っては2chダウンミックス。
「ドルビー音源、ダメなんだっけ?」という素朴な疑問から調べ始めたら、想像以上にちゃんとダメだった。
パナソニック DP-UB45S
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そもそもうちの環境、Atmosを活かせるのか問題
ここで一旦立ち止まって、自分の視聴環境を確認することにした。うちはAVアンプを持っていなくて、テレビに直結。「アンプもないのにAtmosにこだわる意味あるのか?」と自問したんだけど、調べてみるとLZ2000は「360立体音響サウンドシステム+」という機能を積んでいて、テレビ単体でDolby Atmosの立体音響を再生できることが分かった。
つまり、プレーヤー側さえきちんとAtmosをビットストリームで送ってくれれば、アンプなしでも本格的な立体音響が楽しめる環境だったわけだ。これは選定の方針が固まった大きなポイントだった。
PS5、レコーダー、なぜかダメな理由が毎回違う
「アンプなし、UHD BDコレクションを楽しみたい」という軸で、思いつく限りの選択肢を潰していった。
- PS5:ディスクドライブ搭載モデルならUHD BD再生は可能。でもDolby Vision非対応。画質面で脱落
- DIGAレコーダー(最上位のDMR-ZR1含む):これも実はUHD BD再生時のAtmosは非対応。理由が面白くて、「レコーダー」というカテゴリはそもそも録画が主目的で、BD再生は付加機能という設計思想らしい。35万円のフラッグシップですら、この点は変わらなかった
新しければ良い、値段が高ければ良い、というものでもないんだなと実感した。
PlayStation 5(ディスクドライブ搭載モデル)
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パナソニック DIGA DMR-ZR1
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「名機」の沼にハマりかける
一方で調べているうちに、UHD BD専用プレーヤーには独特の「名機」文化があることも知った。
- OPPO UDP-205(2018年):価格.comの満足度4.91という驚異的な評価。メーカーが2018年にプレーヤー事業から突然撤退したこともあって、今も「伝説機」として語り継がれている
- Panasonic DP-UB9000(2018年):パナソニックの専用プレーヤー最終フラッグシップ。中古相場は今でも7万円台〜、状態が良ければ15万円超えも
どちらもAtmos/DTS:Xフル対応で、正直かなり惹かれた。メルカリで実物の出品(並行輸入・18万円)まで見に行ったりもした(結局、電圧問題とDVDリージョン問題があって見送った)。
OPPO UDP-205
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パナソニック DP-UB9000
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でも、うちの環境だと「宝の持ち腐れ」になる
ここで冷静になって考え直した。UB9000やソニーのUBP-X800M2が積んでいる高級オーディオ回路や高剛性シャーシは、AVアンプと外部スピーカーできちんと音を鳴らす構成でこそ活きるもの。うちみたいにアンプなしでテレビ直結だと、その恩恵はほとんど発揮されない。
「機能は上位互換だけど、自分の使い方には刺さらない中間グレード」を選ぶのが一番もったいないパターンだと気づいて、そこで一気に頭が冷えた。
ソニー UBP-X800M2
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結論:ソニー UBP-X700/K
最終的に落ち着いたのが、ソニーのUBP-X700/K(2025年発売)。ネットワーク機能を省いて再生に特化したモデルで、Dolby Vision・Atmos/DTS:Xともにフル対応。うちの環境(配信はテレビ側で完結、UHD BDコレクション再生が主目的)にちょうどよくフィットする一台だった。
価格も新品4万円台後半〜と、UB9000クラスの1/4程度。中古という選択肢もあったけど、可動部品を持つ家電で数千円のために評価の怪しい出品者から買うリスクを取る理由もないなと思い、新品保証ありで購入することにした(購入レビューはまた追って)。
ソニー UBP-X700/K
今回の教訓
- スペック表の「対応」の裏に「ビットストリームか、それともデコードして丸めているだけか」という落とし穴がある
- 自分の再生環境(今回で言えばテレビのAtmos内蔵スピーカー)を起点に機材を選ぶと、驚くほど選択肢が絞れる
- 「一番高い機種」が「一番自分に合う機種」とは限らない
円盤(Ultra HD Blu-ray)で映画を観る文化、もっと盛り上がってほしい。
プレーヤーが決まったら、次は何を買うか。UHDで観る意味がある作品を画質・音質・特典で選んだ「4K Ultra HD Blu-rayで揃えたい、オールタイムベスト映画リスト」と、配信で観られない作品をまとめた「円盤が消える前に買っておきたい映画リスト」もあわせてどうぞ。
