ダニエル・クレイグ最後のジェームス・ボンド。15年間おつかれさまです!って感想に尽きるかな。物語としては前作『スペクター』で完結で良かったとは思うけど、今作でのボンドの生き様とその選択に納得させられたのも確か。今風なキャラや設定もありながら、やっぱりアナ・デ・アルマスの艶やかさだよ。もっと活躍してほしかったなー。ラスボスの動機と行動はどうにも腑に落ちなかったけどまあいいかw。ラストは泣ける染みる。
ここからネタバレあり!
繰り返しになるけど、本シリーズをつらぬくベスパーへの想いとスペクターへの復讐というテーマって意味では、やっぱり前作で終わってたんだよな。なので今作は、あくまでもダニエル・クレイグのボンドとしての最期をえがくための(ケリをつけるための)作品だったんだろうなとしみじみ思う……。
それでも!ラストのあのシーン、マドレーヌの「この子は青い目」という言葉に、「I know」と微笑みながら答えるボンド……。いやほんとニヤリだろ。ダニエル・クレイグが新しいボンドとして発表されたさい、「金髪で青い目のボンドなんて!」と、やたら酷評されたネタを逆手にとった秀逸な演出!マジ最高。
ほんとにこれでダニエルボンドは終わりなのか?また復活するのでは?なんて思ったりするけど、触れた相手を殺してしまうウイルスに感染して、イギリス海軍のミサイルに被弾して、さすがにもう復活は無いだろうな……w
『カジノ・ロワイヤル』で37歳だったダニエル・クレイグも、本作では53歳。激しいアクションと人間味あふれるボンドはリアルで新鮮だった。おつかれさまでした。
007 ノー・タイム・トゥ・ダイ(2021)
監督 キャリー・ジョージ・フクナガ
出演 ダニエル・クレイグ, ラミ・マレック, レア・セドゥ, ラシャーナ・リンチ, アナ・デ・アルマス, レイフ・ファインズ