賛否両論とは聞いてたけど観賞後は「意外と面白かった」と素直に感じた。けど時間がたち咀嚼してみると「やっぱり続編不要だったな」て結論に達した。とにかくラナ・ウォシャウスキー監督のパーソナルなメッセージが強すぎる。原作&監督とはいえマトリックスの世界観をここまで壊す(イジる)必要があったのか? 最初に感じた意外な面白さも大好きな1作目に似てたからだけだったし、こんな真実の先なら知りたくなかった…。
以下、ネタバレあり!
まず、スミス役のヒューゴ・ウィーヴィングが出てないのはありえない。スケジュールの都合らしいけど残念すぎるし続編やる意義が薄れる配役だろう。ローレンス・フィッシュバーンがモーフィアス役で出てないのは設定上百歩譲るとしても、スミス役だけは絶対にこだわるべきだった。
そして、復活したネオがまったくといっていいほど活躍せず、なぜかトリニティが覚醒して救世になるとかまったく意味がわからない。ラスト、飛べないネオに変わっていきなり飛び出すトリニティ。なんで?どうして?そこまでして強い女性を描きたいのか?フェミ盛りすぎだろと。
ラストのトリニティとアナリストとのやり取りもそう。「空を虹に塗ればいい」って台詞なんて、まさにLGBTのレインボーフラッグなメッセージでしかない。まさかラストでぶっこんでくるとはなー。もちろんミソジニスト(女嫌い)なキャラのアナリストはボコボコに。
マトリックスでティファニーて名前で暮らしてたトリニティが家族を捨てて覚醒するのもなー。わざわざ家族を破壊させてんだろうなと思えて気持ちが悪い。なんならティファニーって名前も『ティファニーで朝食を』からジェンダー観点で引用されてるみたいで、もうほんとどうでもいい。
マトリックスの続編に誰がこんな内容を期待しただろうか。観たかったのは、2021年の今、圧倒的に進化した映像であり度肝を抜くアクションであり、続編にふさわしい世界観と物語の帰結だったはずだ。それなのにこんなセルフパロディみたいな作品にしちゃってどうしてくれんだと。キャットリックスとか笑えねよ。
マトリックス・シリーズは、1作目を頂点に続編ごとに落ちていったなー。
マトリックス レザレクションズ(2021)
監督 ラナ・ウォシャウスキー
出演 キアヌ・リーブス, キャリー・アン・モス