古い作品だけど意外や骨のある物語で見応えありだった。久々に観たけどこんなに面白かったとは。まだあどけなさの残る一重時代のジャッキーが新鮮。口のきけない主人公アチャイが地下牢に繋がれているファユーから拳法を習うんだけど、最後はまさかの師弟対決になるって脚本がいい。木人のインパクトはでかいけど出番は少なめ。なんで木人てタイトルに? 息子は「もう少し笑いが欲しい。『酔拳』『笑拳』のが面白かった」らしいw
以下、ネタバレあり。
アチャイは口がきけない、しゃべれない設定なんだけど、最後でファユーが父親の敵であることを知って「どうして殺したんだ!」と叫ぶシーンは「実はしゃべれたのか!完全に忘れてた!(数十年ぶりだからな)」と、最高に驚いたし興奮したよ。いやー、口がきけない設定をここで活かすとは。演出うまいなー。
ラストの激闘、アチャイはみごとファユーを打ちのめすんだけど、師弟としての情もあり「少林寺に戻るなら父殺しも水に流す」とあえて諭すアチャイ。がしかし、ファユーはアチャイに降るふりをして、背後から喉仏への必殺の一撃を放つ。寸前でかわすアチャイ。自らの喉に爪を立て血を吐き倒れるファユー。なんとも哀れで悲しい結末…。でもこの攻撃ってファユーの自殺ともとれるような気もしないでもない。違うかなー。
少林寺木人拳(1976)
監督 チェン・チーホワ
出演 ジャッキー・チェン