AIを駆逐しようとするアメリカとAIと共生するニューアジアとの対立軸なのが目新しかった。「AI=人類の敵」じゃなく人類とAIの関係性は?未来は?についてより考えさせられる物語なのがいいね。VFXも素晴しくて無国籍(渋谷?)な近未来都市の映像はめちゃリアル。ただ何処かで見た映像ばかりではあるし脚本もややとっちらかってる感あり。空中基地ノマドの造形はよかったな。渡辺謙が日本語で気を吐いててニヤリだ。
以下ネタバレあり!
ジョン・デビッド・ワシントン演じるジョシュアの過去回想がちょいちょい入ってくるんだけど、頻発かつタイミングが悪いせいかなかなか乗りきれなかった。時系列がこんがらがるとかじゃないんだけど。なんか惜しい。
超進化型AIの少女アルフィーの秘められた力が大したことなかったのも残念。兵器を止められる力みたいだけど使うシーンがしょぼすぎて…。核すら止めるぞ!くらいの設定と描写が欲しかったな。てか少女だったのか…。
全体的にテンポが駆け足気味。上映時間との兼ね合いかもだけど。ジョシュアとアルフィーが互いに信頼を構築していく過程をもっと丁寧に描いてくれてたらより感情移入できたし盛り上がったのに。あと30分長くてもよかった。
自我をもつ人工知能(AI)をテーマとして描いた映画なら、ニール・ブロムカンプ監督の『チャッピー』のほうがよりメッセージ性を感じたし好みではあるなー。
いろいろ言うてますけど、SFのオリジナル脚本で勝負したギャレス・エドワーズ監督は凄い。これは間違いない。この監督の『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』はやたら評価高いので観ないとだ。
ザ・クリエイター 創造者(2023)
監督:ギャレス・エドワーズ
出演:ジョン・デビッド・ワシントン, ジェンマ・チャン, 渡辺謙, アリソン・ジャネイ, マデリン・ユナ・ボイルズ