スティーブ・ジョブズをある程度知っている人じゃないと置いてけぼり必至だし、『ソーシャル・ネットワーク』のアーロン・ソーキン脚本だけに台詞の洪水に耐えられるかどうかも分水嶺だ。3つの新作発表会の舞台裏を通してジョブスの人間性と家族の問題を浮き彫りにする構成は斬新だし面白みありだね。
原作となった伝記本『スティーブ・ジョブズ』も読んでるけど、本作でもジョブズの歪んだ人間性がけっこう詳らかになってたと思った。ジョブスのキチガイっぷりを描く手法としてこの会話の洪水スタイルは成功してるな。特に、マイケル・ファスベンダーとケイト・ウィンスレットの演技合戦(舌戦)は見応えありまくりだ!よく台詞覚えられたよなw
とにもかくにも、基本「会話劇」だし、3つの発表会という限定された「舞台劇」なので、ジョブスの生涯を振り返るなんて期待値で観ると大怪我するので注意だ!
しかし、MacintoshとかNeXT Cubeの発表会とかマジで見てられんわ。ジョブズどんだけメンタル強いんだよと……。まさに現実歪曲フィールドだ。それに比べてiMacの発表会の安心感たるやだw
ちなみに、ティム・クックやジョナサン・アイブはジョブズ公認で唯一の伝記本と言われてる『スティーブ・ジョブズ』を批判していて、2015年に出版された新しい伝記『Becoming Steve Jobs』の方を称賛してるらしい。ちょっと読んでみないとなー。
スティーブ・ジョブズ(2015)
監督 ダニー・ボイル
出演 マイケル・ファスベンダー, ケイト・ウィンスレット, セス・ローゲン, ジェフ・ダニエルズ