高校生の頃に友達が履いてた「エアジョーダン5」が強烈な記憶として残ってる年頃だから、NIKEとマイケル・ジョーダンの蜜月が始まる物語には興奮冷めやらぬものがあった。エアジョーダンから売上連動型の報酬になったんだな。ベン・アフレック監督の真面目な作品づくりの印象は今作も変わらず。マット・デイモンとのコンビは安心してみられるな。マット・デイモンも世界を救うヒーロより普通のおっさん役のがハマってるよなー。
ここからネタバレあり!
見どころはマット・デイモン演じるソニーの諦めず挑戦し続ける精神。次から次に襲ってくる苦難に屈せず自分を信じて走り続けようとするその行動力に心が震えた。と言いつつ、ジョーダンと契約できる未来がわかってるだけに、やや盛り上がりに欠というか冷静に観てしまうところはやむなし。史実ものの難しいところだわー。
ジョーダン役の顔を一切映さない演出は意図的なのか何かしらの制限なのか。いずれにしても、白眉だったのはジョーダンの母親だなー。黒人家庭はお母さんが取り仕切ってるみたいな件があったけどほんとに強いお母さんだった。契約交渉のやり取りなんてどんだけ強心臓なのってくらいのタフネゴシエーターっぷり。
あの母親あってこそのマイケル・ジョーダンだったんだなと。母は強しだ。
ちなみに、ナイキ創始者のフィル・ナイトがアシックス(当時オニツカタイガー)の創業者である鬼塚喜八郎氏と出会い、米国での販売代理店契約を結んだところから、ナイキの誕生と躍進が始まったわけだけど、こっちの蜜月は後に訴訟沙汰にまで発展してしまうリアルな展開だけに、なんとも言えない気分になるw
AIR/エア(2023)
監督:ダニエル・クワン, ダニエル・シャイナート
出演:マット・デイモン, ベン・アフレック, クリス・タッカー