ジョーカー誕生の物語。ゆえにラストが分かってしまうのが惜しいよなぁ。物語はまっすぐでヒネリなし。格差と断然のなか主人公アーサーの人生が着実に詰んでいく過程を丁寧に描いていく。そして夢も希望もなくなってジョーカーが爆誕する。ホアキン・フェニックスは狂気の熱演。オスカー取りそうだな。
ジョーカーとなって怪しく踊りながら階段を下りるダンスシーン。ニューヨークのブロンクス地区にある階段らしいけど、今は観光名所と化してファンが殺到していて近隣住民が怒ってるらしい。まあ訪れて踊りたいって気持ちも分かるけどね。インスタ映えするしw。特別映像もあるのでぜひ。
あともうひとつ印象深いのがトイレでのダンスシーン。アーサーがジョーカーとしての片鱗を垣間見せる重要なシーンだけど、実はホアキンのアドリブで生まれたシーンらしい。撮影も監督とカメラマンの3人だけだったとか。ううむ。
アーサーが銃を手に持って鏡を見ながら独り言を話すシーンは『タクシー・ドライバー』のデ・ニーロだし、そのデ・ニーロが本作でコメディアンを演じてるのは自身の『キング・オブ・コメディ』ぽいなって。どっちもスコセッシ作品だし、トッド・フィリップス監督も狙ってるんだろうな。
正直、辛くて重たい話だから、もし観直すとしてもかなりのパワーが必要だ。もちろん精神的なパワーね。弱ってるときには観れないなー。でもホアキンの演技とジョーカーの誕生をもう一回観ておきたいって思いもある。いや、やっぱ観ないとダメだな。