超弩級の衝撃作だったインド映画『バーフバリ』のS・S・ラージャマウリ監督最新作。期待に違わぬ血湧き肉躍る胸熱なエンタメ超大作で面白い!としか言葉が出ない。英国植民地時代の史実がベースだけど物語はシンプルで勧善懲悪の友情もの。すべてのシーンがクライマックスでどれも印象に残るんけど、冒頭の大乱闘、橋での共同作業、檻から動物、肩車バトルがお気に入りかな。ナートゥのダンスシーンも最高だった。まさに王道!
ここからネタバレあり!
総製作費97億円だけあってCGは迫力十分。ハリウッドの大作と比べても見劣りしないほどに緻密で、虎とか超リアルだった。中盤でビームが敵の拠点を襲撃するシーン、檻から猛獣が飛び出してくるところとかほんと最高だった。猛獣たちのリアルさはもちろんだけど、虎の子の作戦が猛獣ドカーンだっとは…マジで笑ったw
主演のラーム・チャランと、N・T・ラーマ・ラオ・ジュニアはインドのスーパースターで、そこにインドの実在の人物であり革命指導者だったA・ラーマ・ラージュとコムラム・ビームの役柄を掛け合わせるって発想がもう素晴らしい。史実では出会ってない2人が映画では出会って友情を深めていくとか、興奮しかないわ。
歌って踊るのがインド映画の醍醐味だけど、今作で白眉だったのはやぱり「ナートゥ」のダンスシーンだ。主演2人はダンスの手練れらしくキレッキレの踊りが圧巻。もちろんただ踊るだけじゃなく、対英国的なストーリーのあるダンスになってるのが凄い。YouTubeの動画を後で何度も見てしまった。素晴らしい。
主演2人を中心に男だらけの汗臭い映画だけどヒロインはちゃんといて、特にシータ役のアーリヤー・バットが美しかった。お母さんがドイツ人のハーフみたいだからクォーターかな。ボリウッドのトップ俳優って肌白めな人が多いけど、インドでも一般的にもてる人は色白でもたざる人は色黒らしい。うーん、ここもいろいろあるんだろうな。
エンディングは『バーフバリ』同様、キャストが楽しそうに歌って踊る締めくくり。このエンディングは笑顔で終われるからいいよなー。ジャッキーのNG集ばりにいいよ。日本もやればいいのに。ただ、キャストたちが歌って踊るのはわかるけど、1人誰だこいつ?って初老のおじさんが混じってて、後で聞いたら監督本人だった。お前も踊るんかい!?w
まあそれはそれとして、エンディングで独立戦争の英雄たちの肖像が登場したのは背筋がピンとしたよ。インド独立には日本軍が支援して設立されたインド国民軍(チャンドラ・ボース)が大きな役割を果たしたくらいしか知らなかったしな。ちょっと興味がわいたのでまた調べてみようと思う。
あと、「バーフバリ」もそうだったけど、「RRR」はマサラ上映ってのがあって、劇場で鳴り物OKで超絶盛り上がるらしい。紙吹雪舞うなかみんなでナートゥを踊るんだとか。詳しくはここでまとめられてた。あと、この動画は現地の映像かな?もうわけがわからないw
というわけで、俺的には今年No.1の『トップガン・マーヴェリック』と双璧をなすアクションエンターテイメント作品だった。監督の次回作が待ち遠しいわー。とりあえず、息子と一緒に『バーフバリ』を観ようw
そうそう、初めてスクリーンの最前列、それも端っこで鑑賞したけど、やっぱり姿勢が斜めになるから首やら腰やら尻が痛かった。なにより画角が歪んでしまうのがきついなー。今回の教訓「最前列だめ、ぜったい」。
RRR(2022)
監督:S・S・ラージャマウリ
出演:N・T・ラーマ・ラオ・ジュニア, ラーム・チャラン, アジャイ・デーヴガン, アーリヤー・バット