レイフ・ファインズ演じる有名シェフによる堕落した消費者への断罪劇。創作者による資本家、上から目線の批評家、何も理解せずに批判する客に対する復讐の物語かな。なかなか面白かったものの、やや洗練されすぎてて分かりづらい部分もあり。もっとブラックなコメディに振り切ってたらより満腹感があったかも。なんとなく『ミッドサマー』を思い出した。アニヤ・テイラー=ジョイは目が離れてて苦手だな。ハンバーガー食いたい!
ここからネタバレ!
最も印象的なシーンだったのが、ラストでマーゴがスローヴィクにチーズバーガーをオーダーする場面。シェフの過去の写真からヒントを得たマーゴが、自分がまだ空腹だと言ってチーズバーガーを注文する。これに対しスローヴィクが嬉しそうにチーズバーガーを調理する場面は、彼の創作への純粋な喜びが垣間見えたよ。
さらに、マーゴがチーズバーガーを一口食べてから持ち帰りを希望して、それをスローヴィクが許可する。結果、マーゴは見事脱出に成功するんだけど、この一連のやり取り、間がいいんだよなー。娼婦であるマーゴはそもそも「場違い」だったし、「奪う者」ではなく「与える者」だったわけだ。このシーンは唯一ほっとする瞬間でもあったしニヤニヤだw
ザ・メニュー(2022)
監督 マーク・マイロッド
出演 レイフ・ファインズ, アニャ・テイラー=ジョイ, ニコラス・ホルト, ジョン・レグイザモ