
ローマ教皇を選ぶコンクラーベを舞台にしたミステリー。アカデミー脚色賞を受賞した話題作なんだけど、まあまあかな。物語は意外と単純で地味だし、オチもそこまでの驚きはなく面白みもない。ちょっと期待値上げすぎたかなー。世界情勢や多様性を意識したぽいテーマもちと押しつけがましい。民主主義や多数決の限界や欺瞞を描きたかったならまだ納得だけどな。レイフ・ファインズの苦悩するどアップを堪能できたのでよし。
ここからネタバレあり!
これ、結局すべて前教皇の手のひらの上だった気がするなー。チェスの「8手先を読む」って話の通り、自分の地位を守るため、もしくは後継者を仕込むための策略だったんじゃ? ローレンスを首席枢機卿にして監視、他の枢機卿の弱みを握りつつ、要所要所でカウンターも用意しておく。なかなか周到だなと。
あと惜しいのが、イザベラ・ロッセリーニをもっと活躍させてほしかったこと。バチカンにおけるシスターの立場的に限界があるのかもしれないけど、あんな使い方は実にもったいない! ローレンスと組んで謎解きに走るとか、もう少しエンタメ成分多めでも面白かったのにな。
で、ラストがなあ。まあ「病院」ってワードが出た時点で予想はしてたけど、本作もまた昨今のリベラルな風潮に乗った感があって興ざめだよ。問題提起なのかもしれんけど、教会的に不敬では? いや知らんけど。まあ、アメリカもだいぶ揺り戻しが来てるし、そろそろこの風潮も収束かな。まあ知らんけど。
監督のエドワード・ベルガーはドイツ出身でNY大学出身らしい。だからリベラル色が強いんだろうか。前作『西部戦線異状なし』もアカデミー賞受賞作らしい。ちょっと気になるぞ。Netflix独占配信か。観てみようかな。
教皇選挙(2024)
監督:エドワード・ベルガー
出演:レイフ・ファインズ, スタンリー・トゥッチ, ジョン・リスゴー, イザベラ・ロッセリーニ