心身ボロボロのシェリルが1600kmもの大自然を一人で歩く自分探しの旅。大好物のロードムービー風味でけっこう楽しめたよ。トレイル初心者丸出しのどでかいリュックやサイズの合わない靴とかあるあるだ。ジャン=マルク・バレ監督は『雨の日は〜』でも淡々と描いてたけどそこがまたいいんだよな。
「PCT」はアメリカ3大トレイルの一つで、メキシコ国境からカナダ国境の山脈を縦断するもので、4ヶ月から6ヶ月かかるらしい。なので、女性単独で挑戦するなんて体力的にはもちろん、もしものトラブルを考えると半端な気持ちでやれるもんじゃないよなー。
実はリース・ウィザースプーンの出演作品はまったく観てなくて、顎がしゃくれてるって印象しかなかった(失礼)んだけど、この作品の彼女はすごく存在感があってその演技に釘付けだったよ。あ、調べてみたら『MUD』に出てたw
個人的には、似たような自分探しなノンフィクション系ロードムービだと『イントゥ・ザ・ワイルド』のが衝撃だったし好みかな。どっちも大自然を相手にしててスケールのでかさが圧倒的。
あ、あとこれも邦題がクソだ。原題は『WILD』でぜんぜんこっちのがいいよ。『わたしに会うまでの1600キロ』なんて自分探し感丸出しのタイトルにするなよ恥ずかしいw
ちょっとネタバレあり!!!
最後、いろいろあってゴールへたどり着くんだけど、その瞬間の達成感とか開放感がとてつもない。やたら派手な演出はなく淡々と描いてるだけによけいに迫るものがあったよ。途中、重い荷物を軽くしたり、合わない靴を脱ぎ捨てたり、いろんな人にた助けられたりするのは、シェリルの心が少しづ開放されていくメタファーだったんだろうな。
ただ、いくら家庭環境に恵まれず最愛の母親も病気で失う辛い人生だったとはいえ、本来なら頼れるはずの夫がいたのにやたらと男に抱かれまくり&クスリにまで走ってしまうメンタルは理解できないな。まあ立ち直れたならよかったけどさ。アメリカ怖いわー。
わたしに会うまでの1600キロ(2014)
監督 ジャン=マルク・ヴァレ
出演 リース・ウィザースプーン, ローラ・ダーン