またアメリカ目線のヒトラー&ナチスネタ。反戦・反ナチだけどリアルさやメッセージ性はぬるめ。タイカ・ワイティティ監督が演じるヒトラーも存在意義うすめ。10歳の少年ジョジョ目線での戦争&物語だからコメディだからで割り切れるかどうかかな。戦争もので敗戦国の物語を戦勝国側が描く難しさよ。
印象的だったのは、教官のキャプテンKと、ミス・ラームの二人。どっちもキャラ立ちまくりで笑えた。キャプテンKは最後に美味しいところ持っていくし、ミス・ラームは最後までキレキレ。サム・ロックウェルはほんといい役者だよな。
監督も「反ヘイト・親ピース」だと言ってるように、いわゆるコメディで味付けした反戦映画なんだけど、それよりも異なる価値観に触れて年上の女性に恋をして変わっていく少年ジョジョの成長物語として観るほうがちょうどよさげ。
以下、ネタバレあり!!!
スカーレット・ヨハンソン演じる母親が着てる青いコートや赤白の靴をやたら押してくるから何かあるな?と思ってたら、終盤にまさかの答え合わせがあって、びっくりした…。
ジョジョが吊られた母親と突然の遭遇。母親の変わり果てた足にすがりつくジョジョ。気づいたように靴紐を結びなおそうとする。そしてまたすがりつく。足元と遠くからしか映さない。音楽もなし。佇み母親を見上げるジョジョ…。泣けるわー。
しかし、戦時下のドイツやヒトラーの扱いがあまりに雑だけどこれ大丈夫なんだろうか?ドイツ人が観たらどう思うんだろう?今のドイツと当時のナチス(ホロコースト)は別だからと受け流すのかな。もしこのノリで描かれたのが日本だったらと思うと…。
最後、生き残ったジョジョとエルサが踊るのは予想通りだったけど、まさかみんなで踊りだすんじゃないだろうな?ってドキドキが杞憂に終わってホッとしたw
ジョジョ・ラビット(2019)
監督 タイカ・ワイティティ
出演 ローマン・グリフィン・デイヴィス, トーマシン・マッケンジー, スカーレット・ヨハンソン, サム・ロックウェル