アルフォンソ・キュアロン監督の半自伝的な物語。映像は白黒でスペイン語のみだからややハードルあり。でも鮮やかな映像と俯瞰したカメラと得意の長回し撮影は独特の没入感を与えてくれる。日常を描いた地味な物語だけど終盤にかけて感情を揺さぶられる。見下ろす床から始まり見上げる空で終わる。まさに家政婦クレオと女主人ソフィアの再生(の始まり)物語だ。決して万人受けしないだろう作品を拾って配給したNetflixは偉い!
以下、ネタバレあり!!!
舞台は、1971年のメキシコシティ。メイキング『ROMA/ローマ 完成までの道』を観ると、当時の住居や街並みにいたるまで、キュアロン監督の記憶をできるだけ忠実に再現していて、あまりのこだわり具合に震えるw
終盤、クレオとソフィア家族で海水浴してるシーン。子供2人が波にのまれて溺れかけるのを、泳げないクレオが必死で救助する。このシーン、画面は左にクレオで右に海で、左のクレオにカメラが横スパンすると右の海が映らない。子供らが溺れてるのでは?大丈夫か?とやきもきさせられる。上手いなぁ。
ただ、クレオのクズ彼氏が披露したフルチン演舞は不要だろ。せめてパンツくらいはかせておけば、R15 +じゃなかった気がするw
ROMA / ローマ(2018)
監督 アルフォンソ・キュアロン
出演 ヤリッツァ・アパリシオ, マリーナ・デ・タビラ