眠気との闘い。911で父親と死別した少年のアスペルガーゆえの言動が強烈過ぎて疲れる。父親が残したメモ、BLACKさんと鍵穴を探す件もやたらと退屈。鍵のオチは悪くないけどいろいろ無理があるなあ。「あの日=911」をあえて隠してる?タイトルに釣られて観ると過酷な時間になる可能性大だ。
少年オスカーはアスペルガー症候群という設定だけど、あの言動は観てて厳しいものがある。マンションの管理人への言動はもちろん、母親や爺さんへの言動はドン引きものだよ。悪気なく相手が傷つく言葉を発してしまう症状だとはいえ…。逆に演技が凄いとはいえるんだけど。
アスペルガーは特定の物事に強い興味やこだわりを持つ症状ゆえ、父親が残した謎解き夢中になるって設定なんだろうけど、それくらいなら生前の父親との関係性と事件の大きさとその衝撃が十分な動機になるのではと。つまり病気の設定は必須じゃなかったんじゃないの?作中で、アスペルガーの診察結果は「グレーだった」とあるけど、これ系の診断はグレーになりがちだしね。
やたら評価の高いレビューが多いみたいだけど、911モノにしても父子モノにしても中途半端がいなめない。喪失と再生のものがたり?うーん、微妙。タイトルはもちろん、トム・ハンクスとサンドラ・ブロック狙いで観るのも要注意だ。睡魔に負けること3回、最後まで観た自分を褒めてやりたいw
以下、ネタバレあり!!!
夫の死から立ちなおれていない?アスペルガーゆえに諦めている?などなど、とにかくオスカーに対してコミュニケーションが不足しまりの母親が、最後になって実はずっとオスカーのBLACKさん&鍵穴探しを先回りして見守ってました的な大逆転劇にはびっくりしたけどさすがに無理ありすぎだろと。
中盤に登場してすぐ退場していった謎の爺さんも実は本当の祖父でしたって展開も、祖母の家に住んでる時点でそりゃそうだろと。おまけに祖父は過去のトラウマだかで筆談しかできないって設定でアスペルガー同様にこれまた効いていない。うーん、モヤモヤするわー。
主人公オスカーを演じたトーマス・ホーンの演技は凄かったので要注目だな!と思ったらその後の出演作品はないみたい。うーん、やっぱりモヤモヤするわー。
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011)
監督 スティーブン・ダルドリー
出演 トム・ハンクス, サンドラ・ブロック, トーマス・ホーン, マックス・フォン・シドー