いい映画を観た!と素直に思える良作。60年代のアメリカを舞台した人種差別ものだけど娯楽作品に仕上がってて脚本も無駄がない。さすがオスカー作品&脚本賞。ヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリの2人のケミストリーが最高。いろいろ賛否があるみたいだけど、たくさんの人に観てほしい映画だ。
人種差別ものだから重たいんじゃないの?と思うだろうけど、実は「友情」×「ロードムービー」をベースに、随所に「ユーモア」がトッピングされてて、楽しく暖かい気持ちで観られちゃう。なんならニヤニヤしちゃうくらいだ。お伽噺と言われればそうなのかもしれないけど良いじゃない。ファレリー監督ってこんな作品も撮れるんだなー。
賛否の話でいうと本作もまた白人目線で作られた、いわゆる「白人救世主」ものだって批判が多いんだとか……。まあ言わんとするところは分かるけどね。でもそこまで過剰に反応するほど、ヴィゴ・モーテンセン演じるトニーが英雄だとも思わなかったし、マハーシャラ・アリ演じるシャーリーが一方的に救われてたとも思えなかったけどなー。
作品賞候補にゴリゴリ黒人目線のスパイク・リー監督『ブラック・クランズマン』があったから余計に目立ったのもありそう。思うに、黒人目線も白人目線も両方あって良いと思うけどね。むしろ後者は人種差別問題の入門的な位置づけで「知るキッカケ」としての役割を果たしてくれると思う。人種差別をなくそうという、目指すゴールは同じなんだしね。
ファレリー監督もこの映画が「白人救世主」ものとして叩かれるだろうことは想定してたらしい。そのうえで、「この映画は両極端な2人の男がお互いに共通点を見出して、お互いを助け合う(救い合う)物語だ。」「説教じみたのは僕のスタイルじゃない。みんなで観に行けるような映画にしたかった。」と発言している。なるほどそうだよなー。
ー グリーンブック
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