リンチにしては地味な作風だけど、ロードムービーの佳作といっていい染みる作品。何が染みるって、広大で美しいアメリカ中西部の風景も最高なんだけど、トラクターで旅をしながらリチャード・ファーンズワース演じるアルヴィンが諭すように語る言葉がいちいち染みる……。ロードムービ好きならぜひ。
「年取って最悪なのは若いころを覚えていること」「歳の近い兄弟ほど分かり合えるものはない」「家族は折れない小枝の束」などなど。特に、小枝の束の件は、毛利元就の三本の矢と同じような話で、古今東西普遍的なんだなあと。
主演のリチャード・ファーンズワースはスタントマン出身の名優として尊敬を集めていたけれど、公開後の2000年に亡くなったらしい。患っていた癌の痛みに耐えかねての自殺だったとか。残念だ。
以下、ネタバレ。
最後の兄弟の再開のシーンが良かったなー。まさかの「語らずとも分かる」的な、唐突とも言える終わり方にびっくりしたけど、そりゃそうだよなと。兄弟だから分かり合ってるんだよ。言葉なんて不要だ。グッときたよ。
ー ストレイト・ストーリー
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