カルト映画と言われるのも納得の難解さ。ドニーの青春&恋愛物語にSF要素が絡んでなんとも複雑な味わい。初見で理解できたらそれこそ宇宙人だろw。いろいろと解説・批評されてるけど、作中の「タイムトラベルの哲学」って本が鍵だしこれ抜きには理解不能。ほんと難解だけどこれ系好きなんだよなー。
とにかく、映画の中にヒントとなりえる説明や解説がまったくないので、間違いなくワケガワカラナイヨ状態になる。まあその辺の解説はネタバレでやるとして、とりあえず主演のジェイク・ギレンホールが若い!でもあの眼力と演技力はすでに健在。ドリュー・バリモアは教師役で脇役なのに無駄にエロくて無意味だなと思ったら、製作総指揮なのね。
ここまでのカルト映画を監督・脚本したリチャード・ケリーってどんな人だろうと思ったら、『運命のボタン』の監督だったのか。どうりで不親切w。どうやら、解説付きのディレクターズカット版のBlu-rayがあるらしいけど海外版のみらしい。日本版でも売ってくれー。
ちなみに、この映画を観ようと思ったきっかけは、映画好きとしての愛読書の一つ、漫画『シネマコンプレックス』に出てくる主人公が大好きな映画だと力説してたからw
以下、ネタバレ&解説!!
まず、これは完全にSF映画だ。それもタイムトラベル&パラレルワールドな本格っぽいやつ。そこにドニーの高校生活や恋人のグレッチェンとの恋愛を上手くトッピングしてるってのが本質じゃないかな。そこを見誤るとワケガワカラナイヨになってしまうのではと。ざっくりだけど。
いろいろググってみた限りだと、なるほどドニーの部屋に飛行機のエンジンが落ちた瞬間から、時間軸の異なるパラレルワールドが発生。その世界でドニーは銀色のうさぎに力を与えられ、無意識ながらも本来の世界を取り戻そうと孤軍奮闘。最終的には彼女や母娘の死を無かったことにするためにドニーは決断して世界の終わりは回避されるんだけど…。ってのが大筋ぽい。ざっくりだけど。
でも、なにが非道いって、映画の中には一切出てこないんだけど、実は裏設定として未来人(宇宙人?)てのが存在してるらしく、そいつらがすべての黒幕なんだとか…。未来人はパラレルワールドを閉じて本来の世界を救うべく、銀色のうさぎを使っていろいろ画策してて…。って、ちょっと何言ってるか分からないw
でもまあ、この不親切かつ不条理さゆえにいろいろ解釈して楽しめてカルト映画として長く愛されてるわけだから、これはこれでありかも?w
ググって調べて腹落ち感あった記事はこれとこれかな。とにかく「ライマリー・ユニバース」「タンジェント・ユニバース」「アーティファクト」「リビングレシーバー」「マニピュレイテッド・デッド」を理解しましょう。参考まで。
ラスト、死神ババアに「この世の生き物はみな孤独に死ぬ」と言われたドニーの行動はまさに自己犠牲の極み。ベッドの上でドニーは笑ってたけど観てるこっちはちょっと泣けたし、ふと『デッドゾーン』を思い出したよ。あと『バタリアン』も。
ドニー・ダーコ(2001)
監督 リチャード・ケリー
出演 ジェイク・ジレンホール, ジェナ・マローン, ドリュー・バリモア