2重螺旋の恋人

2重螺旋の恋人

どこからが現実で妄想なのか…。観賞後のモヤモヤが半端なくて、フランソワ・オゾン監督にしてやられた感ありだ。フランス映画らしく説明は最小限(冒頭の診断シーンが重要)で首かしげまくりだし、ホラーぽい展開&演出もちょいちょい入ってきて、とにかく混乱必至。R18+バリバリなので大人向け。

以下、ネタバレありまくり!!

基本、登場人物はヒロインのクレアと、精神分析医であるポールとその双子の兄・ルイの3人。クレアはポールという恋人がいながら、ルイとの乱暴なセックスに溺れつつ双子の謎を追う…って展開で、まあここまでは普通。

だけど、愛猫が行方不明になったり、ポールの元カレ(自殺未遂で寝たきり)に会いに行って母親に罵倒されたあたりから雲行きが怪しくなり、どうせポールとルイが同一人物なんだろ?って余裕こいた想像も見事に外れてしまうw

結局、双子だったのはポールじゃなくてクロエだったというオチで、それもクロエと一緒に産まれるはずだった双子の片割れの組織が腫瘍としてクロエのお腹に居ました!というまさかの設定&展開にマジカヨとw

つまり、ルイとの出会いとその荒々しいセックスも、ポールの元カノとその母親との件も、隣人のおばちゃんや愛猫も、すべてクロエの体内の片割れが見せた妄想であり、突きつめれば母親に望まれた子ではないという、クロエ自身のトラウマからきていたということか…。

双子のモチーフとして随所で使われてたのが鏡で、ラストシーンでクロエが鏡の中に見たクロエが鏡を叩き割ったのは、双子の呪縛から逃れたって理解でいいのかな?どうなの?w

うーん、自分なりに解釈をまとめてはみたけど腹落ち感は少なめかなー。でも、こういう感じもまた良しだよ。何かも説明されて分かりやすいだけじゃつまらないからね。そういう意味では久々に歯ごたえのある作品で楽しめた。

2重螺旋の恋人(2017)
監督 フランソワ・オゾン
出演 マリーヌ・ヴァクト, ジェレミー・レニエ, ジャクリーン・ビセット

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この記事を書いた人

東京在住の映画好きアラフィフ男子。オールタイムベストは『ゴッドファーザー』。最近はもっぱらVODでの鑑賞がメイン。でもやっぱりスクリーンで観たい。息子を映画好きにする計画を実践中!あと映画好き仲間と不定期で映画館に行く「映画部」も活動中w

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