おもいきり「ゲゲゲの犬神家」だったな。昔読んだ漫画だと父親はミイラ男だった気がするんだけど、鬼太郎の父（目玉おやじ）のキャラがかなり新鮮だった。昭和30年代が舞台だけに大人な雰囲気で面白くはあったけど、バトルは鬼太郎アニメそのもの。ただ龍賀一族の因習とか犯罪の件と幽霊族である鬼太郎の出生の秘密がうまく混ざり合ってなくてツギハギな印象ではあったなー。むしろエンドロールの件をメインでやればよかったのに。
ここからネタバレあり！
この作品は完全に横溝正史の『犬神家の一族』の構造を借りてきてるよな。龍賀家の遺産相続を巡る骨肉の争いと、そこに絡む鬼太郎の父の物語。個人的にも大好物の設定だで、いつ逆さの足が出てくるのかとｗ
特に印象的だったのが、目玉おやじになる前の鬼太郎の父の人間らしさ。声を担当した関俊彦の演技も良くて、従来のコミカルな目玉おやじとはまた違うキャラクターになってた。なんならイケメン枠といってもいい。
エンドロールで描かれた鬼太郎誕生の経緯の方が、実は本作の核心だったんじゃないかと思う。ゆえに本編でしっかりと描ききってほしかったな。とはいえ、昭和30年代の雰囲気作りは秀逸で、ビジュアル面では文句なしだ。昔はみんなタバコ吸ってたよなー。
この映画、ネット上でやたら反戦がらみの感想が盛り上がってるけど、実際に観てみるとそこが主題だとは思えない。確かに戦後設定で復員兵の主人公だし、水木先生の戦争体験も影響してるだろうけど、核心は親子の絆と鬼太郎誕生の物語だろ。素直にホラーサスペンスとして楽しんだ方がいいぞ。
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎（2024）
監督：古賀豪
出演：関俊彦, 木内秀信, 種﨑敦美
