不朽の名作『ゴッドファーザー』の制作の裏側をドラマ化だと⁉ってことで躊躇なく休止してたU-NEXTを再開。全10話見終わって思うのはプロデューサーの仕事がいかに大変かってことだ。時代背景や題材がマフィアとかあるけどまさに命がけ。頻発するトラブルをすべて解決しないと映画は作れない。そんな状況でモノづくりに邁進した当時の制作陣には感謝しかないな。もちろんドラマは最高だった。ゴッドファーザー好きなら必見!
ここからネタバレあり!
主人公でプロデューサーのアルバート・ラディは、上司のロバート・エヴァンス、監督のフランシス・フォード・コッポラ、マフィアのジョー・コロンボ、はたまたパラマウントの親会社の会長や重役に挟まれて、無茶振りされて、難癖つけられて、あげくに命まで狙われて、ほんと七難八苦きとはこのことかってくらいのブラックさ。どの業界でも調整役って一番大変なんだよなー。
そんなストレスフルな状況でも、パラマウントのメンバーみんなが映画への愛をもってるところがグッとくる!とくにエヴァンスが映画への熱い想いを語るシーンはどれも素晴らしかった。エヴァンスて人はハリウッドの伝説のプロデューサーで、昔「くたばれ!ハリウッド」って小説も読んだことがあるけどめちゃくちゃ破天荒な人だった。彼の狂気がなかったらゴッドファーザーサーガは世に出なかっただろうな。
マーロン・ブランドがビトー役を手に入れるために、即興で髪を染めて口に綿を入れてしゃがれ声で演じたって件は有名だけどやっぱりドキドキしたなー。当時やや落ち目だったとはいえ雲上の俳優としてしっかり描かれてたのもよかった。演じてる役者もまあまあ似てたし。コッポラとか役者はかなり似せてきてたけど、一番似てたのはロバート・エヴァンス役のマシュグードと、アル・パチーノ役のアンソニー・イッポリートかな。
初めて知ったことも幾つかあった。フランク・シナトラが原作に難癖つけて映画の邪魔をしたこと。コッポラがブランドとパチーノのキャスティングとシチリアでの撮影にやたらとこだわったこと。最初の撮影はマイケルとケイのデパートでの買い物シーンだったこと。ルカ・ブラージが片言だったのは本物のマフィアでしゃべりが下手くそだったから。マイケルのソロッツォ暗殺シーンでトイレの銃がなかなか見つからなかったのはコッポラが場所を変えてたから。コッポラと撮影のゴードンが光の具合でやりあってたこと。などなど、どれもワクワクしたなー。
どこまでが史実でどこまでが脚色なんだろうか。制作にアルバート・ラディが入ってるからかなりリアルなんだろうけど、マフィア向けに個別でプレミアしたのは本当らしい。ただ、ラディとコロンボの関係性はちょっと怪しくて、実際には1度しか会ってないって話もあるみたい。
なんにしても最高のドラマだった。できれば『ゴッドファーザー PART2』の舞台裏も続編としてドラマ化してほしい!
ジ・オファー(2022)
出演:マイルズ・テラー, マシュー・グッド, ダン・フォグラー, パトリック・ギャロ, バーン・ゴーマン